京都市とあずさ監査法人が連携協定 伝統産業に「協業パートナー発掘・紹介」(京都市 報道発表資料)|KIMONOHUB NEWS
京都市と有限責任あずさ監査法人が、2026年8月19日に新しい連携協定を結んだ。正式名称は「『ほんまもんの京都』を次世代につなぐ京都企業の成長支援等に関する連携協定」。名前だけ見ると行政の協定らしい硬さがあるが、中身を見ていくと、伝統産業に関わる立場として素直に気になる一文があった。
この記事でわかること
- 京都市とあずさ監査法人が、スタートアップ支援・海外展開支援・伝統産業振興の3領域で連携協定を締結
- 伝統産業向けの具体策に「協業パートナーの発掘・紹介」が盛り込まれた
- 事業者が自ら探さなくても、外部の専門組織が候補をつないでくれる可能性がある
- 相談の申し込み方法など運用の詳細は、現時点で未公表
京都市とあずさ監査法人が結んだ協定
今回の協定で連携する領域は大きく3つある。スタートアップの創出・成長支援、京都企業の海外展開や海外企業の京都市内への誘致、そして伝統産業や半導体関連産業などものづくり産業の振興だ。行政と会計・コンサルティングの専門法人が手を組み、企業の成長を後押しする枠組みをつくった、という発表になる。
伝統産業に盛り込まれた「協業パートナーの発掘・紹介」
自分が引っかかったのは、ものづくり産業振興の中に、伝統産業向けの具体策として「協業パートナーの発掘・紹介」という言葉が入っていたことだ。あずさ監査法人のネットワークを生かして、大手企業などとの協業相手を見つけ、つなぐ。あわせて、KPMGジャパンの専門チームによる勉強会やセミナーの開催も予定されているという。
相談の申し込み方法や運用の詳細までは、現時点で公表されている情報からは分からない。ただ、伝統産業に対して「外部の専門組織が、つなぐ役割を担おうとしている」という方向性そのものは、はっきりと打ち出されている。
「自分たちだけで見つけなくていい」という前提
この「発掘・紹介」という言葉がついていることが、自分にとっては地味に大きい。伝統産業の職人や事業者が、新しい取引先や協業相手を自分の足だけで探し続けなくても、外側から候補を持ってきてもらえる可能性がある、ということだからだ。
異なる専門性を持つ人や組織がつながることで、ものづくり側だけでは思いつかなかった商品や仕事が生まれることもある。自分たちがすべての専門性を身につける必要はなく、持っていない部分は、それを持つ相手とつながることで補える、という見方もできそうだ。
和装の仕事に置き換えて考えてみる
これを和装や伝統産業の現場に置き換えてみると、職人には技術があり、小売には顧客との接点があり、また別の企業や専門家には経営や海外展開の知見がある。それぞれが得意な部分を持ち寄ることで、一社だけでは届かなかった場所に商品や仕事が届く、という流れは十分にありえる話だと思う。
今回の協定で、伝統産業側の事業者が実際にどんな相手と出会うことになるのかは、まだこれからだ。それでも、こうした「外とつながる入口」が公的な枠組みとして用意されたこと自体は、和に関わる立場から見て興味深い動きだ。
KIMONOHUBも、ものづくりの現場と、小売やサービス、その先にいる消費者をつなぐことを目指している立場として、今回のような「異なる専門性がつながる」動きには自然な接点を感じる。前面に出る話ではないけれど、こうしたつながりの間で何か役に立てることがあれば、と思いながら見ている。
参照元
京都市 報道発表資料「京都市と有限責任あずさ監査法人が連携協定を締結」